火災時の安全を支える:防火シャッター蓄電池の定期交換とメンテナンス

「商業施設や工場に設置された防火シャッターは、
火災発生時の延焼を防ぎ、人々の安全を守る重要な設備です。

その心臓部とも言えるのが蓄電池です。

近年、この蓄電池の交換時期に関するお問い合わせや、
交換時に発生したトラブルへの対応依頼が増加していることを
実感されているのではないでしょうか。

防火シャッターの蓄電池は、平時には意識されにくい存在ですが、
停電時などの非常時には危害防止装置の正常な作動を保証する
という非常に重要な役割を担っています。

もし蓄電池が適切に管理されていなければ、
火災発生時に人命に関わる重大な事故につながる可能性も否定できません。

本記事では、防災屋の皆様が、防火シャッターの蓄電池管理の重要性を再認識し、
顧客へのより安全なサービス提供につなげるとともに、
新たなビジネスチャンスを発掘するためのかけがえのない情報を提供します。」

防火シャッターにおける蓄電池の重要な役割

防火シャッター、特に危害防止装置(避難時停止装置)は、
火災時に自動閉鎖する際に、人や障害物を検知して
一時停止または反転上昇する機能を有しています。

この危害防止装置が正常に機能するためには、電力供給が不可欠です。

通常時は商用電源を使用しますが、火災による停電時には、
この蓄電池がバックアップ電源として機能します。

もし蓄電池が劣化していたり、容量が不足していると、
停電時に危害防止装置が作動せず、人や物が挟まれる危険性が高まります。

危害防止装置の仕組みや重要性について解説した記事

出典: 公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターHP:業務案内
建物の安全・安心
(株)鈴木シャッター様HPカタログ:”非常電源装置・水圧開放装置”より

防火シャッターに搭載される蓄電池の種類

防火シャッターには、様々な種類の蓄電池が使用されています。
それぞれの種類によって寿命や特性が異なり、適切な管理が求められます。
(今後、主要な蓄電池の種類と特性関する詳細な情報を追加する予定です。)

施工後 GSユアサ製

定期的な蓄電池交換の重要性

危害防止用連動中継器の蓄電池の寿命は約5年とされています 。
無線式の送信機に搭載された電池も同様に約5年が交換の目安です。

※ここ数年の製品は約10年の寿命のバッテリーもございますので、
 ご注意ください。

※参照:一般社団法人日本シャッター・ドア協会様:蓄電池の定期交換のお願い
※参照:文化シャッター(株)様、HP下記ページより
防火シャッター用安全装置に搭載する予備電源を“環境への負荷低減”と“ランニングコスト低減”を両立した「ニッケル水素蓄電池」に切り替え~交換時期が約10年に延長で交換頻度が半減~

これらの蓄電池は自然放電や経年劣化により徐々に性能が低下します 。
定期的な交換を怠ると、火災時にシャッターが閉鎖した際、
障害物を検知できなくなるおそれがあり、
重大な事故につながりかねません 。


蓄電池の寿命は保証値ではなく、使用状況や環境によって前後する可能性があります。

蓄電池交換時期の確認方法


電気式手動閉鎖装置またはレール内蔵形手動閉鎖装置には
次回の蓄電池交換時期が記載されたラベルが貼付されています 。

異常表示ランプの点灯や点滅も、蓄電池の交換時期や異常を示すサインです。

低速点滅(1秒間に2回点滅)は、蓄電池の交換時期を示している
可能性があります 。 (設置後5年または10年経過が目安)

点灯またはその他の点滅パターンは、蓄電池の異常を含む、
他の異常を示している可能性もあります 。

定期点検時には、これらの表示やラベルを必ず確認することが重要です。

蓄電池の異常とトラブルシューティング

* 蓄電池の電圧が低下すると、停電時に危害防止装置が作動しない可能性があります。

無線式危害防止装置の場合、送信機の電池が消耗すると、
異常表示ランプが点灯または点滅することがあります 。

通信障害異常(極早点滅:10回/1秒)も、電池のコネクタ外れや電波環境、
電池消耗などが原因で発生することがあります 。

異常表示ランプが点灯または点滅している場合は、
速やかに原因を特定し、適切な対応(電池交換または修理依頼)が必要です。

防火設備定期検査のトラブル事例

法令遵守の観点から

建築基準法第8条では建築物の所有者、管理者又は占有者は、
その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように
務めなければならないと定めています。
防火設備であるシャッターも同様です。

危害防止装置が正常に作動しない状態は、建築基準法違反となる可能性があり、
建物オーナーや管理者はその責任を問われることがあります。
蓄電池の適切な管理と定期的な交換を行うことは、
建物管理としての法令遵守を支援し、信頼関係を強化する上で重要です。

まとめと今後の展望

「防火シャッターの蓄電池は、火災時の安全確保に不可欠な存在であり、
その適切な管理は防災屋の皆様にとって重要な責務です。

定期的な交換と適切なメンテナンスは、人命を守るだけでなく、
新たなビジネスチャンスにもつながります。

最近の蓄電池交換ニーズの高まりを的確に捉え、顧客への proactive な提案を行うことで、
より安全な社会の実現に貢献し、事業の成長を両立させることが可能です。

今後、本記事では、防火シャッターに使用される主要な蓄電池の種類と特性、
より詳細な交換手順、トラブルシューティングに関する情報を追加していく予定です。
ご期待ください。

出典(または参考文献)

•三和シヤッター工業株式会社: 三和の重量シャッター 取扱説明書
•一般社団法人日本シャッター・ドア協会:.シャッターの種類と構造
•一般社団法人日本シャッター・ドア協会: Ⅱ.性能及び関連法規
•一般社団法人日本シャッター・ドア協会: Ⅲ.シャッターの安全装置とメンテナンス
•一般社団法人日本シャッター・ドア協会: Ⅳ.防火設備としてのドア
•三和シヤッター工業株式会社: 【取扱説明書】電気式無線信号装置WLS-1
•有限会社アートシャッター: 危害防止装置とは?~種類と注意事項~
•有限会社アートシャッター: 水圧開放装置とは?
•一般社団法人日本シヤッター・ドア協会: 蓄電池の定期交換のお願い
•三和シヤッター工業株式会社: 防火シャッターの手動閉鎖装置(操作箱)の異常表示ランプが点灯(点滅)している場合の、異常内容を教えてください。
•三和シヤッター工業株式会社: 防火シャッターの連動中継器のバッテリーが切れたとき(電圧低下時)には、危害防止装置(避難時停止装置)は作動するのでしょうか。(FAQ)

※敬称は省略させていただきます。

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