間仕切りつけたら排煙窓ハンドルは移設する?

今回は防煙区画について、ご紹介していきます。

はじめに

防煙区画をご紹介するきっかけは
お客様からこんな質問を頂いたからです。

Q.テナントさんが間仕切りを新たにつけました。
  排煙窓のハンドルは移設が必要ですか?

テナントさんの入れ替わりが激しいためか、
このような質問をここ数年、頂く機会が
増えました。回答はこちらです。

A.設計当初の排煙計画によりますが、
 原則はハンドルの移設が必要です。

理由は「手動開放装置は防煙区画内に
設置すること」が原則のためです。

もちろん、避難経路や設計当初の
排煙計画などにより、例外もあります。
しかし基本的には防煙区画内に設置
することが求められています。

また、間仕切りの方法によっては
防煙区画が変わらないため、
ハンドルの移設が不要になることも
あります。

どのような基準で判断していけば
良いのか、それは防煙区画について
考えていけば、見えてくると思います。

少しでもあなたのヒントになれば
うれしい限りです。
それでは防煙区画をご紹介していきます。

防煙区画とは

防煙区画は建築基準法および消防法を基に
形成された区画です。
(今回は建築基準法を中心にご紹介します。)

火災のとき、煙が広がると避難の妨げになります。
その煙を広げないために作る区画を
防煙区画と言います。

防煙区画の条件
①床面積500㎡以内ごとに
 防煙壁によって区画すること
②区画内のあらゆる場所から排煙口
 までの距離を30m以下に設置すること

上記以外にも条件はありますが、
最低でもこの2つは押さえておきましょう。

区画を形成する防煙壁とは?

防煙区画は防煙壁で区画したものを指します。

防煙壁は不燃材料で作られた(または覆われた)
防煙垂れ壁(天井から下へ500mm以上
②防煙間仕切り壁
③防煙垂れ壁(天井から下へ300mm)+不燃戸
以上の3つを指します。

随時閉鎖型の防煙垂れ壁:東洋シャッター㈱HP「製品情報」より
不燃シート製防煙垂れ壁:文化シャッター㈱「ケムストップⅡカタログ」より

不燃材料は不燃性継続時間20分以上の材料です。

材料の例
・コンクリート、れんが、瓦、
・モルタル、石、ガラス
・鉄、アルミニウム、金属板
・石膏ボード(12mm以上)
・ガラス繊維混入セメント板(3mm以上)
・ロックウール、グラスウール板など

以上のような材料を使い、区画を
500㎡以内ごとに形成していきます。

余談ですが、下記の写真のような
パーテーションで間仕切りをした場合、
防煙区画が変わらないのでご注意ください。

赤枠部分のように欄間(ランマ)が
開いているためです。

区画の形成についてご紹介しました。
次は排煙口について、書いていきます。

防煙区画に設置が必要な排煙口とは?

排煙口は、防煙区画内における排煙風道に
設ける煙の吸入口及び直接外気へ
煙を排出する排出口
を指します。

排煙口には代表的なものが2種類あります。

・手動開放装置で開放し、
 自然煙を外に出す排煙口
・手動開放装置で開放し、機械を使って
 自動煙を外に出す排煙口

以上の二種類があります。
どちらの種類でも、手動開放装置は必須です。

自然に煙を外に出す排煙口(排煙窓と呼ばれることが多いです)
自動で煙を外に出す排煙口(排煙機または排煙口と呼ばれることが多いです)

このような排煙口を防煙区画の
あらゆる場所から30m以内に設置が
求められます。

余談ですが、排煙口(排煙設備)の
不良はここ数年で増えておりますので、
簡単ではありますが、写真でご紹介します。

ワイヤーがほつれ、開放不可でした。
防災連動し、電圧があることを確認しましたが、不作動でした。

上記はあくまで一例です。
ここ数年でお問い合わせ件数が
増えておりますが、ご参考頂ければ
幸いです。

最後に

最後にまとめです。

防煙区画は防煙壁で500㎡以内に
区画され、排煙口が30m以内に
設置されている区画を言います。

防煙壁は不燃材料で鉄やガラス、
コンクリートなどが代表例です。

排煙口は自然排煙設備と機械排煙設備
の2種類あります。

以上です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

投稿者プロフィール

アート シャッター
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アートシャッターは1996年の設立以来、会社設立の地である千葉県を中心に
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シャッターメーカー様各種のお取り扱いと25年の経験を活かし、
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