危害防止装置とは?~種類と注意事項~

こんにちは!
今回は「危害防止装置」について、
ご紹介します!

はじめに

書くきっかけになったのは、お客様から、
このような質問をいただいたからです。

お客様

施主さんから
「危害防止装置を新設する見積もりを何種類か欲しい」
と言われました。
そもそも危害防止装置とは何なの?

弊社

緊急時にシャッターが作動(降下)した際、
人の安全を確保し、防火区画を形成するための装置です。

建築基準法が改正され、年々、お問い合わせ件数が
増えています。

そのような背景もあり、今回は「危害防止装置」について、
紹介させていただきます。

本記事の目的

  1. 危害防止装置とは?関連する法律と役割のご紹介
  2. 危害防止装置の種類と仕組みのご紹介
  3. 注意事項のご紹介

1.危害防止装置とは?~関連する法律と役割のご紹介

この章では”危害防止装置とは何か?”
”関連する法律”と”役割”の側面から
ご紹介していきます。

はじめに冒頭でも述べましたが、
結論、危害防止装置は

”緊急時にシャッターが作動(降下)した際、
人の安全を確保し、防火区画を形成するための装置”
です。

それを踏まえて、詳細を記載していきます!

一般社団法人日本シャッター・ドア協会様資料:”建築にたずさわる皆様へ危害防止機構の設置が義務付けられました!”より

まず、”関連する法律”についてご紹介します。

危害防止装置に関して、最も関連する法律は
”建築基準法”になります。

2005(平成17)年12月より防火シャッター等が作動(閉鎖)する際、
人の安全を確保することが義務付けられました。

e-Gov法令検索:”建築基準法施行令第112条19”より

この法律に対応するために、危害防止装置の設置が
必要となりました。

危害防止装置について、抜粋したシャッターメーカー各社の
定義をご紹介します。
(順番はあいうえお順で記載いたします)

防火シャッター用危害防止装置とは、防火区画に設置される防火シャッターが火災時に熱や煙を感知して自動で閉鎖する際のはさまれ事故を防止するための装置で、2005年12月の建築基準法改正により設置が義務付けられています。

三和シャッター工業㈱様HP:”防火シャッター用危害防止装置 「無線式避難時停止装置」を発売”より

防火・防煙シャッター用危害防止装置は火災時の煙、熱を感知し 、 防火・防煙シャッター
が閉鎖を始めた時のはさまれ事故を防止するための機構です 。

㈱鈴木シャッター様カタログ:”防火・防煙シャッター用 危害防止装置”より

『危害防止装置』とは、煙若しくは熱感知器、または手動閉鎖装置の作動により防火シャッターが自重で降下している際に、シャッターが人や物に接触すると閉鎖動作を停止し、人や物がなくなると再び降下を始めて完全に閉鎖し防火区画を形成する装置です。

東洋シャッター(株)様HP:”「シャッターをより安全にお使いいただくために」 ”より

『危害防止装置』とは防火/防煙シャッター用の非常時における挟まれ防止のための装置のことです。

文化シャッター(株)様カタログ:”シャッターをより安全に使用していただくために”より

以上のように防火シャッターが作動(閉鎖)する際に

人の安全を確保または挟まれないようにするため、
危害防止装置が使用
されています。

では、具体的にどのような仕組みとなっているのでしょうか?
それを確認していきましょう!

危害防止装置の種類と仕組み

危害防止装置には大きく分けて3つ、種類があります。

危害防止装置の種類

  1. 電気式危害防止装置
  2. 座板可動式危害防止装置
  3. 機械式危害防止装置

上記の種類により、特性が変わっていきます。
1つずつ、紹介していきます!

❶電気式危害防止装置

出典:三和シャッター工業㈱様”防火・防煙シャッター用 避難時停止装置”より

電気式危害防止装置は、電気信号を送り、
人が挟まれるのを防止する危害防止装置です。
下記のように動作します。


  1. 火災発生
  2. 感知器発砲+防災盤(受信機)受信・発信または手動閉鎖装置起動
  3. 自動閉鎖装置 作動
  4. 防火/防煙シャッター 作動(シャッター降下)
  5. 避難者または障害物がシャッター最下部(座板)にぶつかる
  6. シャッターの降下が一時停止または反転上昇
  7. 約10秒後、再降下し、全閉(※再降下の時間はおおよそです)

このような仕組みとなり、作動(閉鎖)しています。
シャッターカーテンの最下部(座板)に、接触することでスイッチが押され、
電気信号を送ることでシャッターが一時的に停止する機能が備わっています。

取付は電動式、手動式シャッターどちらでも取付けが可能
となっています。(要電源工事)

***参考取付材料***(既存シャッター利用を想定)

 ・連動中継器 ・自動閉鎖装置 ・コードリール(有線式)
 ・無線信号装置(無線式) ・手動閉鎖装置 ・蓄電池 
 (*開閉機 *クッション座板 は現場に応じて必要です)

※実際の材料選定は現場により変動するため、工事の際はお打ち合わせが必要です。

❷座板可動式危害防止装置

座板可動式危害防止装置は座板(シャッターカーテン最下部)が動く仕組みです。
Sガードの簡単な説明🔍

人やモノが挟まれた時に座板が上方向に動き、30~40cmほどのスペースができます。
なので、シャッターの重さが人にかからず、脱出可能になります。
※電気式と違い、途中で停止しません


  1. 火災発生
  2. 感知器発砲+防災盤(受信機)受信・発信または手動閉鎖装置起動
  3. 自動閉鎖装置 作動
  4. 防火/防煙シャッター 作動(降下)
  5. 避難者または障害物がシャッター最下部(座板)にぶつかる
  6. シャッター最下部(座板)が動き、挟まれ事故防止
  7. 全閉

こちらも取付は電動式、手動式シャッターどちらでも
取付けが可能となっています。

メリットは
①電源工事不要
②既存シャッターの材料を多く活用できる
2点です。

そのため、電気式・機械式危害防止装置より金額・工期が抑えられます。

Sガードの施工事例🔍

***参考取付材料***(既存シャッター利用を想定)

 ・Sガード本体

現場調査・お打ち合わせが必要です。

❸機械式危害防止装置

出典:三和シャッター工業㈱様HP:”機械式危害防止装置「メカセーフ」に電動式タイプを追加”より

機械式危害防止装置は電気式危害防止装置と同じ機能ですが、
”中継器・蓄電池”を持たない危害防止装置となります。

それにより、蓄電池交換などのランニングコストが低くなることが
特徴であり、メリットとなります。


  1. 火災発生
  2. 感知器発砲+防災盤(受信機)受信・発信または手動閉鎖装置起動
  3. 自動閉鎖装置 作動
  4. 防火/防煙シャッター 作動(シャッター降下)
  5. 避難者または障害物がシャッター最下部(座板)にぶつかる
  6. 感知している間、シャッターの降下が一時停止
  7. 再降下し、全閉

***参考取付け材料***(既存シャッター利用を想定)

・感知座板 ・ワイヤーリールユニット ・手動閉鎖装置
(*開閉機 *自動閉鎖装置は現場に応じて必要です)
 

※実際の材料選定は現場により変動するため、工事の際はお打ち合わせが必要です。

以上、3種類の危害防止装置について、ご紹介していきました。
最後に危害防止装置についての注意事項をご紹介していきます。

注意事項

最後に危害防止装置のご相談を受ける際、
よくある注意事項を一部、ご紹介します。

注意事項(一部抜粋)

  • ”危害防止装置”と”障害物感知装置”の違い
  • 防火設備点検の”要是正”と”要是正(既存不適格)”の違い

それぞれ、詳細に入っていきましょう。

✔”危害防止装置”と”障害物感知装置”の違い

電気式危害防止装置と障害物感知装置は見た目・機能ともに似ていますが、
違うものになります。

出典:三和シャッター工業㈱様”防火・防煙シャッター用 避難時停止装置”より
㈱鈴木シャッター様HP:”座板感知装置(障害物感知装置)/電池交換の方法
”より

機能として同じ点はどちらも人または障害物を感知したとき、
シャッターの作動(閉鎖)が止まることです。

違う点は
①停止後、閉鎖するのか否か
②防災連動時に機能するか否か

下記に簡単な比較表を載せます。

危害防止装置障害物感知装置
防災盤連動により、
降下した場合
停止する停止しない
座板が感知し、
停止した後
再降下する再降下しない

特に防災盤連動によるシャッター連動は”防火区画を形成する”ことが重要です。
そのため停止後、再降下する必要があるので、ご注意ください。

✔防火設備点検の”要是正”と”要是正(既存不適格)”の違い

出典:千葉県様”定期報告の提出書類”より

こちらの質問については弊社blog”「要是正(既存不適格)」とは?”と
合わせて確認していただけると、より理解しやすいかと思います。

”要是正(既存不適格)”
当時の法律に適合していましたが、
現在の法律では不適合となっているもの
」です。

そのため、対象の建築物が2005(平成17)年12月より
以前か、以後かによってチェックの仕方が変わります。

ここでもう1つ、確認してもらいたいことがあります。
それは、

2005(平成17)年12月より後に改築・増築されていないかです。
もし改築・増築しており、危害防止装置について、
不安を感じる場合は設計された会社様へご相談してみるのが良いと思います。

要是正(既存不適格)について、確認すること

  • 2005(平成17)年より以前の建築物かどうか
  • 2005(平成17)年より後に改築または増築をしていないか

まとめ

最後までご愛読いただき、誠にありがとうございます。
この記事を読んでいただき、少しでもお役に立てれば幸いです。

なるべく危害防止装置の全体像をご紹介できるように努めてまいりましたが、
それでも網羅しきれなかった内容もございます。

もし気になる点やご不明点等ございましたら、
お問い合わせいただけますと幸いです。

最後に本記事を書く上で、参照した資料等について、
出典先を記載いたします。

※順番は記載した順にしております。

次回もよろしくお願いいたします。

投稿者プロフィール

アート シャッター
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